第2部 Oracle9i ステップマスター
 第1章 Oracle9i 環境の管理

1.4 Oracle Enterprise Manager Packsの概要
1.4.1 目的 1.4.2 Oracle Diagnostic Packの機能 1.4.3 Oracle Tuning Packの機能
1.4.4 Oracle Change Management Packの機能 1.4.5 まとめ
1.4.1 目的

この節では、第1部の1.2「Oracle9i Databaseの機能と拡張性」で紹介した、Oracle Enterprise Manager Packsの以下3つのパッケージの機能をより詳しく説明します。実際の演習は含んでいません。
  • Oracle Diagnostic Packの機能紹介
  • Oracle Tuning Packの機能紹介
  • Oracle Change Management Packの機能紹介

1.4.2 Oracle Diagnostic Packの機能

Oracle Diagnostic Packには、以下の機能があります。

ユーザー定義のSQLテスト
Oracle Diagnostics Packには、ユーザー定義のSQLテストへのサポートが含まれています。任意のSQL文を入力することができ、返される値はユーザーが設定するしきい値に対してテストされます。警戒または警告のしきい値に達するとイベントがトリガされ、事前定義イベントと同じ方法で通知されます。これによって、Oracleデータベースで監視するイベントをカスタマイズすることが可能です。

グラフのルック&フィールが向上
Performance ManagerとCapacity Plannerの両方に表示されるグラフは、新しいデザインによりグラフの監視がしやすくなり、凡例とテキストも読みやすくなっています。グラフのサイズ設定の動作も改善されているので、同じウィンドウで複数のグラフを監視することも簡単です。

保存したグラフのカスタマイズ
すべてのグラフにはデフォルト表示設定がありますが、必要に応じて変更できます。Oracle Diagnostics Packには、カスタマイズ設定を保存するオプションがあります。つまり、特定のグラフを棒グラフにする、正確なサイズにする、デフォルト以外の異なる間隔でリフレッシュする、などの希望がある場合は、これらの設定値を保存してそのグラフを開くたびに使用することができるようになります。頻繁にアクセスするグラフがいくつかあり、これらのグラフをカスタマイズしたい場合には非常に便利な機能です。

拡張ドリルダウン機能
Performance Managerの多くのグラフでは、より具体的な情報にドリルダウンすることが可能です。ドリルダウンの機能は大幅に拡張されています。Performance Managerのすべてのグラフから関連する履歴データにドリルダウンできるようになりました。たとえば、特定ディスクの現在のファイル入出力を表示しながら履歴値にドリルダウンして、ファイル入出力に特定の傾向やほかに興味深い動作があるかどうかを即座に表示できます。Oracle Diagnostics Packで適切な履歴収集を設定している場合は、履歴データを使用できます。

グラフから関連ツールとアプリケーションにドリルダウンすることもできます。たとえば、データベースで実行中のSQL文のうちパフォーマンスが最低のものをTopSQLグラフで識別して、SQL Analyzeチューニング・ツールを起動してそれらのSQL文をチューニングできます。
注意:SQL AnalyzeはOracle Tuning Packで使用できます。

印刷とレポート
グラフの情報を表示中に、グラフを印刷して同僚に見せたいと思ったり、あるいはグラフ、関連データ、レポートの生成などを行いたい場合もあるでしょう。このようなときには、直接グラフを印刷するか、1つ以上のグラフからHTMLレポートを作成できます。レポートは、ブラウザでの表示と印刷、同僚への電子メール、またはWebサイトからの利用が可能です。これにより、管理者は管理対象のシステムに関する情報を簡単に文書化/共有化して、問題の解決に役立てることができます。

重要なグラフへの簡単なアクセス
問題が検出されたり、またはユーザーがシステムの不調を電話で訴えてきた場合、一般的に管理者は問題のデータベースまたはホストの高度な視点から問題のトラブルシューティングを開始しようとします。Oracle Diagnostics Packでは、これらの重要な概要のグラフが直接Enterprise Managerコンソールから使用できます。管理しているデータベースに問題があると思われる場合、コンソールのナビゲータ・ツリーからデータベースを選択して、Performance OverviewグラフとLock Monitorグラフを直接起動できます。これにより、管理者は問題のあるシステムとその原因の概観を即時に把握することができるようになります。

簡素化された履歴データの設定
Oracle Diagnostics Packでは、追跡する重要なパフォーマンスとリソース・データに対する履歴収集の設定ができます。以前の製品よりも、履歴収集の指定と追跡が簡単になっています。特定のターゲット(データベースまたはホストなど)に収集を設定したら、これらの収集設定を1つ以上の追加ターゲットにコピーできます。また、環境内のシステムに設定したすべての収集を要約した、読みやすいHTMLレポートも生成できます。

履歴データの拡張表示
Performance ManagerとCapacity Plannerの両方で、グラフまたは表形式で収集したメトリックの履歴データを表示できます。選択したデフォルトの使用によってさらに迅速に履歴ビューにジャンプすることが可能となるように、この履歴ビューは大幅に拡張されています。また、異なる日付範囲や時間細分性(時間、日など)を簡単に選択することで、デフォルト・ビューからの変更も迅速に行えます。履歴ビューでは、履歴グラフ・ビューに最小値、最大値、平均などの計算値を追加することもできます。

最も重要なのは、表示中のデータにズーム・イン/アウトできる拡張機能です。たとえば、数か月間にわたるデータの日次平均を参照できます。興味深い期間があれば(データの値に急激な変化があるなど)、マウスを使ってグラフの該当領域を選択し、すぐに詳細にズーム・ダウンすることができます。
 

図1.4.1
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1.4.3 Oracle Tuning Packの機能

Oracle Tuning Packには、以下の機能があります。

データベース領域使用率を管理/チューニングするJavaベースのアプリケーション
Tablespace Mapでは、表領域エクステントの割り当てと物理位置のグラフィカル表現が提供されます。このため、エクステントのボリュームと物理位置だけでなく、使用可能チャンクの可用性と断片化の識別も簡単になります。また、断片化された索引、エクステントが不足しそうなセグメント、連鎖行など、特定の領域使用の問題を自動的に検出して報告する表領域分析機能も含まれています。問題検出には、問題の修正方法や防止方法に関するアドバイスも含まれます。その後、Reorg Wizardを使って領域使用の問題を修正できます。

Reorg Wizardを使用して、選択したオブジェクトまたは表領域全体を再編成できます。Reorg Wizardはまったく新しい一連の再編成技術を使用して、障害予測、リカバリ可能性、拡張性を提供します。再編成は、既存の表領域またはスクラッチ表領域で実行できます。再編成中は、オブジェクトの再配置と記憶域属性のチューニングを行うことができます。再編成ジョブはそれぞれ潜在的な障害ポイントを評価され、影響レポートに詳細が報告されます。影響レポートとともに、再編成スクリプトが生成、表示されます。再編成タスクは、Oracle Intelligent Agentを使用してスケジュールと管理が行われます。

ライセンスのあるOracle Tuning Packユーザーは、Tablespace MapとReorg Wizardの両方をOracle Enterprise Managerから起動できます。Tablespace MapとReorg Wizardは両方とも、ツリー・ビューでの格納オブジェクトの選択時またはオブジェクトの右クリックによって「オブジェクト」メニューから起動できます。スキーマ・オブジェクトの選択時にReorg Wizardを起動することもできます。

SQL Analyzeの拡張機能
SQLチューニング・ウィザードでは、ウィザードで解決可能な問題を含むSQL文に自動的にフラグが付けられるようになりました。問題の解決によって実現できる潜在的なパフォーマンス向上をグラフィカル表現で表示します。

SQL Analyzeは、サーバーの「プラン・スタビリティ」機能を使用するOracle9i の問い合わせを自動的に識別します。

SQL AnalyzeはDiagnostics PackのPerformance Managerと統合されています。Performance Managerでユーザーが表示しているTopSQLとTopSessionsの詳細グラフをSQLレベルにドリルダウンして、問題のあるSQL文の文脈でSQL Analyzeを起動することが可能となります。

Oracle Expertの拡張機能
Oracle Expertでは、包括的な索引チューニングのパフォーマンスが向上しています。大きなSQLワークロードを処理する新しい方法により、索引推奨事項の生成に必要な時間が大幅に改善されます。

Oracle Serverインスタンス・チューニングに対する新しいインスタンス・チューニングのルールと拡張機能も追加されました。
Parallel_Automatic_TuningとBuffer_Pool_Keep/Recycleパラメータへのサポートが含まれます。また、ビットマップ索引チューニングのサポートも拡張されています。

索引チューニング・ウィザードの拡張機能
索引チューニング・データの収集と処理における主要なパフォーマンス向上により、結果がより迅速に得られます。索引チューニング・レポートの表示も新しくなっています。
 

図1.4.2
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1.4.4 Oracle Change Management Packの機能

Oracle Change Management Packには、以下の機能があります。

一元化されたOracle Change Managerユーザー・インターフェイス
Oracle Change Management Packで実行されるすべてのタスクはOracle Change Managerと呼ばれる新しい統合ユーザー・インターフェイスから開始できます。Change Managerは、新規タスクの開始、保存した作業の表示と編集、同僚が実行した変更管理操作の検査などを行う中枢となります。このように変更管理タスクの開始地点となる中枢が存在することは、Oracle Change Management Packウィザードとダイアログの検索をより簡単で効率的にします。Change Managerはコンソールから、またはオペレーティング・システム・コマンドを介して直接起動できます。

マルチ・ユーザーのサポート
管理者がOracle Change Management Packを使って変更管理タスクを実行すると、ログと保存された作業はその管理者に属するものとして識別されます。これにより、複数の管理者が必要に応じて個別の職責を保持することができます。各管理者が実行したタスクを識別することで、内部の監査役など、ほかの人でも特定の変更を行った人物を追跡できるようになります。

Oracle Change Management Packでは、管理者間での作業の共有も提供しています。計画、比較、ベースラインなどの項目は、必要なときにほかの管理者が表示し使用することができます。

履歴とログ
管理者がOracle Change Management Packを使用して実行する操作と作業は、自動的に履歴にログされます。すべての操作は、日付とタスクを実行した管理者のタグが付けられます。このログ機能により、管理者と監査役は変更内容、変更時期と変更者を追跡できます。このため、特定の日時に行われた変更を分析したり、あるいは特定の管理者によって行われたすべての変更をトレースすることが可能です。

アクティブ・タスクと保留タスクのステータス
Change Managerから、複数の変更管理タスクを同時に実行できます。これらの異なるアクティビティを継続して追跡できるように、アクティブ・タスク(進行中の作業)と保留タスク(作業は完了したが最終確認を待機している作業)の両方のリストをChange Managerで表示できます。

比較指定と比較結果の保存
Oracle Change Management Packの主な機能の1つは、オブジェクト定義の比較です。

管理者は1つ以上のデータベースまたはベースラインにある任意のオブジェクト・セットを比較して、比較の指定と結果を保存することができます。この機能は、同じ比較を定期的に実行する場合に非常に役に立ちます。たとえば、開発スキーマと本番スキーマを毎週比較して、時間の経過とともにどのような違いが生じたかを追跡できます。

比較におけるテキスト差異
Oracle Change Management Packは、プロシージャ、トリガーまたはビューなどの「テキスト型」オブジェクトの定義を比較できます。これらのオブジェクト・タイプの違いは、主にSQLまたはPL/SQLテキストの違いです。Oracle Change Management Packは、これら のオブジェクト・タイプのテキスト差異にカラー・コードされたビューを提供します。検索された差異を色別にハイライトするこのビューにより、プロシージャまたはビューの定義の違いの規模がすぐに識別できるようになります。

バージョン管理
Oracle Change Management Packは、変更計画、ベースライン、比較の異なるバージョンを保持できます。このため、これらの項目の進化を経時的に追跡することが可能です。たとえば、ベースラインの異なるバージョンを使用して「メタデータ・バックアップ」を実行できます。ベースラインとは、ある時点におけるオブジェクト定義の取得です。開発スキーマのベースラインを取得して、その時点でのスキーマを「バックアップ」することができます。以降、ベースラインを毎週再取得して、開発スキーマに行われた変更を追跡、バックアップできます。ベースラインを再取得するたびに、ベースラインのバージョンが更新されます。

基本Enterprise Managerアプリケーションへの統合
Oracle Change Management Packのすべての変更管理機能は、Change Managerから直接アクセスできます。ただし、Oracle Enterprise Managerコンソールから一部の変更管理タスクを実行した方が便利な場合もあります。これらのタスクには、コンソール・ナビゲータでの迅速なオブジェクト比較やオブジェクトのベースライン取得が含まれます。これらの変更管理タスクは、コンソールとOracle Enterprise Managerに統合されています。

改善された影響分析
Oracle Change Management Packは、指定された変更を行う前に常に影響分析を提供します。影響分析により、変更を行う前に修正すべき潜在的な問題が識別されます。また、影響分析では変更を完了するために対応する必要のある領域の問題と制限も識別されます。影響レポートは、より多くの依存コンポーネント情報を表示するように拡張されています。これにより、行おうとしている変更の副作用と影響されるほかのオブジェクトを迅速に識別できるようになります。

バッチ・モードのサポート
管理者は変更管理タスクの実行をスケジュールしなければならない場合もあるでしょう。このようなとき、オフピーク時間中の夜間に大規模な変更を実行するようにスケジュールできます。たとえば、毎週日曜日の夜にベースラインを自動的に再取得して、通常の「メタデータ・バックアップ」を行うようにできます。変更管理操作は、Oracle Change Management Packコマンド・ライン・インターフェイスでスケジュールできます。このAPIを使用すると、現在使用している任意のジョブ・スケジューラで変更管理の操作をスケジュールできます。
 

図1.4.3
画像をクリックすると拡大図をご覧いただけます
 


1.4.5 まとめ

この節では、次の拡張パッケージの機能を説明しました。
  • Oracle Diagnostic Packの機能
  • Oracle Tuning Packの機能
  • Oracle Change Management Packの機能

1.1 Oracle9i 環境の管理-概要 1.2 Oracle Enterprise Managerのインストール
1.3 Oracle Enterprise Managerによるデータベースの管理 1.4 Oracle Enterprise Manager Packsの概要
1.5 データベース・リソースの管理  

 

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