| 開発者: Business Intelligence
OLAP OptionとOracle Business Intelligence Discovererとの併用 Oracle Business Intelligence Discovererのレポート作成および分析機能にOLAP Optionを追加することのメリット、およびユーザーがOLAPレポート機能を使用できるようにするために必要な手順について説明します。
Oracle Business Intelligence Discoverer(OracleBI Discoverer)は、Oracleデータベースや他のデータベースに保存されているデータをユーザーが問合せたり、分析したりできるようにする一連のビジネス・インテリジェンス・ツールです。 Oracle Business Intelligence Suiteの一部として、OracleBI Discovererは、Oracle Database 10g Enterprise EditionにOLAP Optionを補足します。これにより、Oracleデータベースの解析機能が拡張され、論理次元モデルと特殊な多次元データ型が含まれるようになりました。 この記事では、OracleBI Discovererのレポートおよび分析機能にOLAP Optionを追加することのメリット、Analytic Workspace Manager 10gツール、さらに、OLAPレポート機能をユーザーが使用できるようにするためにOracleBI Discoverer管理者が実行する手順について説明します。 組織のディメンション・ビュー 組織のパフォーマンスを分析するときには、検討すべきさまざまな側面があります。 たとえば、地域の利益を担当する営業部長の場合、その地域の結果は、セールス・チームのパフォーマンス、販売した製品の組合せ、顧客、および長期にわたるセールスの分析結果に影響されることがあります。 学校の成績平均値の測定に関心を向ける学校管理者も1つの例です。 成績平均値に影響を与える要因には、生徒のバックグラウンド、科目のタイプ、科目の教員、履修する教科が含まれます。管理者は学年度にわたる平均値の変化を調べることに関心があるかもしれません。 このような状況は、様々なディメンションに関する問題であると考えられます。 学校管理者の場合、問題は、成績平均値を改善する方法を見つけることです。問題のディメンションは、長年にわたるさまざまな教員、学生、科目、学部です。 営業部長の場合、問題は地域の販売実績を改善することです。問題のディメンションは、販売員、管轄区域、製品構成、流通チャネル、時間です。 これらの状況では、当該の人物それぞれが多次元の問題に取り組み、解決策を見つけ出します。この人物は問題のすべての局面を念頭に置く必要があります。
OracleBI Discoverer for OLAPは、OLAP Option for Oracle Database 10g Enterprise Editionとともに、使い慣れたOracleBI Discovererの一連のツールを使用してOracleデータベース内でデータの多次元モデルを作成し、これらのモデルに固有に問合せて分析する機能を提供します。 さらに、Microsoft Excelを使用することにより、Oracleの強力な分析機能と標準的なExcelの機能を組み合わせて、このような多次元モデルにアクセスできます。 論理次元モデル OracleBI Discovererのユーザーおよび管理者は、エンド・ユーザー層、ビジネス分野、フォルダ、項目、結合、階層、アイテム・クラスの概念に習熟します。 OracleBI Discovererにより、管理者はビジネス分野とフォルダを定義できます。ビジネス分野とフォルダはデータベース・スキーマ内で表と列にマッピングされます。 管理者は、フォルダ間の結合パスを定義し、結合された表から項目を取り込む複合フォルダを作成できます。 エンド・ユーザー層とビジネス分野により、管理者は、よく知られているビジネス用語を使用して、リレーショナル・データベースから複雑さを排除し、ユーザーにデータ項目を表示できるようになります。 OLAPサポートを使用する場合、OracleBI Discovererは、Oracleデータベースで作成された次元モデルを使用することにより、OLAPデータを管理者とユーザーに表示します。 この次元モデルには、ユーザーがどのようにビジネスを頭の中に描いているかが反映されます。 前述の営業部長にもどりますと、彼らが理解しようとしている売上高と傾向は、製品、顧客、およびチャネル間の長期にわたる相互作用によってもたらされます。 これらの要因は相互に作用するので、営業部長は、多次元的に考える必要があります。OracleBI Discovererは、この多次元的な考え方を正確に映し出してユーザーにデータを提示します。 論理次元モデルの内部で、データは1つ以上のディメンション(製品、顧客、管轄区域、時間など)およびメジャー(販売数量および平均価格など)によって体系化されます。 ディメンションは、1つ以上のメンバー(個人顧客、製品カテゴリ、販売の管轄区域)を持っている可能性があり、1つ以上の階層に体系化されます。 階層は、最下位のデータがロールアップする方法を定義し、レベル(製品、製品グループ、製品カテゴリ)を含む場合があります。サイズ、カラー、製品コードなど、次元メンバーの特性の説明に属性を使用できます。 論理モデルは、多数のディメンション、キューブ、メジャー、階層、レベル、および属性で構成され、多くの場合、組織全体のデータを統合します。
データを次元的に考えると、ビジネスピープルが使い慣れた用語でディメンション・クエリーを組み立てられます。 たとえば、
または
データが、データベースの中でどのように保存されているかを気にする必要はありません。 Oracle OLAP多次元エンジン Oracle Database 10gのOLAP Optionは、論理次元モデルと、リレーショナル・データ型および多次元データ型の両方にデータを保存する機能を提供します。 OLAPデータを関係的に保存する場合、OLAP Optionは、ディメンション・メタデータをリレーショナル表と列の上に重ねて、データ・アクセス用にディメンションJava OLAP APIを提供します。 多次元的に保存されている場合、OLAPデータは、アナリティック・ワークスペース内の多次元データ型に保存されています。これは、Oracle OLAP Server製品ファミリーから派生したテクノロジですが、現在ではOracle RDBMSに組み込まれています。前述のJava OLAP APIまたはSQLを使用して、アクセスできます。 OLAP Optionに付属する多次元エンジンには、OLAP分析の実行のためのリレーショナル実装について複数の利点があります。 多次元データベースは、他に類を見ないほど、非定型の分析に適しています。ユーザーが分析できるデータには制限がなく、あらゆる種類の計算をいつでも定義できます。 多次元データ型は、非定型のクエリー環境でパフォーマンスを向上する、特殊な配列ベースのデータ構造にデータを保存します。メジャーが事前にディメンションに結合されているので、問合せに条件を提供するプロセスは極めて効率的です。 OLAP Option多次元エンジンには、大型の疎データ・セットを処理する最適化機能が含まれており、基本レベルのデータと保存されている集合の間のナビゲーションを自動的に処理します。 さらに、多次元エンジンでは、割当て、予測、ディメンション内の連立方程式、時系列の演算など、専用のOLAPサーバーに共通する、様々な複雑な演算にアクセスできます。 手短に言えば、OLAP Optionの使用を検討中で、幅広い分析的および統計的な演算を使用する高速で柔軟なレポート機能を提供したいと考えている場合、リレーショナル・データ型ではなく、専用の多次元アナリティック・ワークスペースにOLAPデータを保存する必要があります。リレーショナル・データ型は、このようなレベルの柔軟性や機能を提供できません。では、どのようにして、この機能を使用すればよいでしょう。 Analytic Workspace Manager 10g OracleBI Discoverer管理者にとって、アナリティック・ワークスペースや多次元データ型の話題は聞きなれないかもしれませんが、Oracleは、多次元データの作成と維持を簡単にする2つのツールを提供しています。 Oracleの完全な抽出、変換、およびロード(ETL)ツールであるOracle Warehouse Builderは、データを多次元アナリティック・ワークスペースにロードする機能を提供します。これは通常、データ・ウェアハウス開発者とDBAによって使用されます。 ただしOracleBI Discovererシステムの管理者のデータは、すでに抽出され準備されている場合には、彼らはOracle Warehouse Builderなどのツールのすべての機能を必要とするわけではありません。むしろ、特にOracleBI Discovererメタデータおよびワークブックの維持に関連するツールを選びます。 OTNから無償でダウンロードできるAnalytic Workspace Manager 10gは、OracleBI Discoverer管理者および部門のパワー・ユーザーを対象とします。彼らはOLAP Optionを活用し、OLAPデータの保存にアナリティック・ワークスペースを使用する必要があります。 Analytic Workspace Manager 10gを使用して、OLAPデータ、ディメンションの定義、レベル、階層、属性、およびデータを編成するためのメジャーを表わす論理次元モデルを構築できます。
論理モデルが完成すると、Analytic Workspace Manager 10gを使用してデータソースをこの論理モデルにマッピングし、次にツールを使用してアナリティック・ワークスペースに移入し、維持できます。 Analytic Workspace Managerは、使いやすい簡素なインタフェースで、論理ワークフローに従って多次元OLAPキューブを作成し、OracleBI Discoverer for OLAPですぐに使用できるOLAPキューブとディメンションを作成します。 OracleBI Discoverer for OLAPとともに使用する多次元OLAPキューブを作成する手順について説明します。 この例では、GLOBALサンプル・スキーマを使用します。これは、現在OTNからダウンロードできます。 アナリティック・ワークスペースの構築 Analytic Workspace Manager 10gの使用を開始する前に、Oracle Database 10g Enterprise Edition にOLAP Optionがインストールされ、Patch Set 2(10.1.0.4)が適用されていることを確認してください。 次に、データベース・パラメータをアナリティック・ワークスペースのデータ・ロードに適切な値に設定します。
PARALLEL_MAX_SERVERS = number of processors, less one
PGA_AGGREGATE_TARGET = 40% of available memory
UTL_FILE_DIR = all directories that OLAP will need to write to
UNDO_MANAGEMENT = AUTO
UNDO_TABLESPACE = as defined earlier
次に、データを保存する表領域とデータファイルを作成します。
CREATE TABLESPACE "GLOBAL"
DATAFILE 'GLOBAL.DBF' SIZE 90M AUTOEXTEND ON NEXT 5M;
CREATE TEMPORARY TABLESPACE "GLOBAL_TEMP"
TEMPFILE 'GLOBAL_TEMP.DBF' SIZE 90M AUTOEXTEND ON NEXT 5M
UNIFORM SIZE 256K;
次に、ソース・データとアナリティック・ワークスペースを格納するスキーマを作成します。
CREATE USER "GLOBAL"
IDENTIFIED BY "GLOBAL" DEFAULT TABLESPACE "GLOBAL"
TEMPORARY TABLESPACE "GLOBAL_TEMP"
QUOTA UNLIMITED ON "GLOBAL"
QUOTA UNLIMITED ON "GLOBAL_TEMP";
GRANT "OLAP_USER" TO "GLOBAL";
次に、インポート ユーティリティを使用して、サンプルのソース・データを「GLOBAL」スキーマにインポートします。 たとえば、
IMP GLOBAL/GLOBAL
Import file: EXPDAT.DMP > GLOBAL_TABLES.DMP
Enter insert buffer size (minimum is 8192) 30720> 30720
List contents of import file only (yes/no): no > no
Ignore create error due to object existence (yes/no): no > no
Import grants (yes/no): yes > yes
Import table data (yes/no): yes > yes
Import entire export file (yes/no): no > yes
Analytic Workspace Manager 10gを起動し、データベースを登録して、GLOBALユーザーとしてログオンします。 「GLOBAL」スキーマを右クリックし、「アナリティック・ワークスペースの作成」を選択してGLOBALと名付けます。
最初のディメンションの作成: 最初のディメンションCUSTOMERを作成します。 「GLOBAL」アナリティック・ワークスペースをクリックし、「ディメンション」ノードを右クリックして「ディメンションの作成」を選択します。 「CUSTOMER」ディメンションには、「SHIPMENTS」と「MARKET SEGMENT」の2つの階層があります。 ただし、最初のステップでは、2つの階層が使用するすべてのレベルを定義してから、それらを複数の階層に編成します。 「CUSTOMER」ディメンションを開いて、「レベル」を右クリックして次のレベルを作成します。
「階層」ノードを右クリックして、「SHIPMENTS」階層を作成します。 これに「TOTAL・CUSTOMER」、「REGION」、「WAREHOUSE」および「SHIP TO」の各レベルを加えます(この順に上から下に)。
もう一度、「階層」ノードを右クリックして、別の階層「MARKET SEGMENT」を作成し、(上から下に向かって)「TOTAL_MARKET」、「MARKET_SEGMENT」、「ACCOUNT」および「SHIP TO」のレベルを加えます。 これが完了すると、スクリーンは次のようになります。
このディメンションを移入するために使用されるデータは、「GLOBAL」スキーマの「CUSTOMER_DIM」と呼ばれる表にあります。これは、アナリティック・ワークスペースに必要なデータの一部を提供するディメンション・テーブルの1つです。 モデル・ビューの「マッピング」ノードをクリックして、「GLOBAL」スキーマにドリルダウンします。 「CUSTOMER_DIM」表をクリックし、マッピング・ペインにドラッグします。「Type of Dimension Table(s)」ドロップダウン・リストから「スター・スキーマ」を選択します。 このディメンションのソース・データがスター・スキーマ内の表に格納されているので、マッピング・ツールバーの「スター・スキーマの自動マップ」ボタンを使用して、ソース・フィールドを論理次元モデルに自動的にマッピングできます。 データをマッピングすると、スクリーンは次のようになります。
テンプレートのインポート: 次に「PRODUCT」ディメンションを作成しますが、手動で作成するのではなく、 GLOBALサンプル・スキーマで提供されているテンプレート・ファイルを使用して、定義を取り入れます。 Analytic Workspace Manager 10gにより、ディメンションとキューブの定義をXMLテンプレートとして保存できるので、たとえば、それらの定義をバージョン管理システムに保存したり、別の場所に論理モデルをデプロイするために使用できます。 定義をインポートするには、「ディメンション」ノードを右クリックして、「Create dimension from template」を選択します。 GLOBALサンプル・スキーマを解凍したディレクトリにナビゲートして、「Product Other.XML」ファイルを選択します。 このファイルには、「PRODUCT」ディメンションの定義が含まれています。 定義をインポートし、続いて、ディメンションの「エントリ」を開きます。 そこには、4つのレベルを持つ単一の階層と、「ITEM」レベルに属する3つの追加的な属性があります。 マッピング・ペインの内部で、ソース・データは、すでに「PRODUCT」ディメンションにマッピングされています。 この例では、ソース・データは複数の正規化された表に格納され、「Type of Dimension Table(s)」ドロップダウン・リストは「その他」に設定されています。 Analytic Workspace Manager 10gでは、ソース・データはスター・スキーマに格納する必要がなくなり、スノーフレーク・スキーマに配置した表や、通常の正規化された表さえ、データソースとして簡単に使用できます。
論理モデルのためのディメンションのセットを完了するために、「Time Star.XML」および「Channel Star.XML」テンプレート・ファイルをインポートして、「TIME」および「CHANNEL」ディメンションの定義をインポートします。 キューブの設計: 次のステップでは、キューブを設計します。 キューブは、メジャーとそのディメンションを結合する論理次元モデルの一部です。他の計算されたメジャーとともにソース・データから直接ロードされるメジャーのコンテナであり、キューブ内の各メジャーはディメンションの同じセットを共有します。 論理モデルは多数のキューブを持つことができますが、キューブ内のすべてのディメンションは、同一のアナリティック・ワークスペースから来たものであることが必須です。 ここでは、「UNITS_SOLD」および「SALES」のメジャーを含む単一のキューブを作成します。 作成するには、「キューブ」ノードをクリックし、「キューブの作成」を右クリックして、選択します。 キューブにUNITS_CUBEという名前を付けて、4つのディメンションのすべてを選択します。
「実装の詳細」により、Analytic Workspace Manager 10gがキューブ内のディメンションをどのように順序付けるか、また、データのロードと集計のパフォーマンスを向上するために圧縮やパーティショニングなどの機能を使用するかどうかを指定できます。 メジャーの値がディスクに保存されるため、キューブの中でディメンションを列挙する順序は重要です。 アナリティック・ワークスペース内のメジャーは線形のストリームとして保存されます。この中で"最も速く変化する"ディメンションと呼ばれている値は、密接に集まり、"最もゆっくりと変化する"ディメンションの値は広く拡散します。 したがって、最も速く変化するディメンションは、最も多数の次元メンバーを持つディメンションであり、キューブ内で最初に列挙される必要があります。他のディメンションは、最もゆっくりと変化する最後のディメンションが最後になるよう、サイズの順に列挙されます。 「実装の詳細」タブを使用して、ディメンションを「スパース」または「高密度」に指定することもできます。 スパース性は、セルにNAまたはnull、値が含まれている程度を指します。「UNITS_CUBE」は、「PRODUCT」、「CHANNEL」、および「CUSTOMER」ディメンションに従いスパースになる傾向があります。これは、すべての製品がすべてのチャネルですべての顧客に販売されるわけではないからです。 2つ以上のディメンションがスパースであるように指定すると、Analytic Workspace Manager 10gは、これらの論理次元を単一のコンポジットとして実装するコンポジット型の仕様を生成し、独立したディメンションではなく、このコンポジットを使用して、メジャーの大きさを示します。 この方法でデータを保存すると、アナリティック・ワークスペースが集計されるときに必要なディスク領域が減少し、ユーザーの問合せに対するレスポンス・タイムが短縮されます。 コンポジットについて、詳しくはOracle OLAP DML Reference 10g Release 1 (10.1.0.3)を参照してください。 キューブが極めてスパースであることに気が付いている場合、「圧縮」ボックスを選択して、圧縮コンポジットとして知られる、Oracle Database 10gで導入された新機能を使用して、キューブを実装します。 圧縮コンポジットは、特許で保護されたアルゴリズムを使用して、メジャーおよびコンポジット内の冗長データを減少させ、できる限り小さいメジャー、コンポジット、およびコンポジット索引を生成し、キューブの集計に必要な時間を劇的に短縮できます。 この機能の最初のリリースには、圧縮コンポジットの使用範囲と集計に関する制限がありますが、Oracle Database 10g Release 2では、これらの制限が緩和される予定です。とりあえず、キューブが極度にスパースである場合は、このオプションを使用して、パフォーマンスを大幅に改善できる可能性があります。 圧縮コンポジットについて、詳しくはAnalytic Workspace Manager 10gオンライン・ヘルプを参照してください。 ここで使用している例では、キューブは中程度にスパースなので、このオプションは選択しません。 「キューブの作成」ダイアログ・ボックスの他の2つのタブを使用して、メジャーを集計する方法と、どの程度までサマリーを事前に計算しキューブ内に保存するかを指定できます。 前に述べたとおり、アナリティック・ワークスペースは、リレーショナルOLAP実装とは異なり、メジャー自体の中にサマリーを埋め込みます。集計ナビゲーションは自動的に実行され、これらの2つのタブを使用して、この集計をどのように実行するかを決定できます。 「Rules」タブでは、各論理次元にデフォルトSUMを選択するか、初回加重、加重平均、または非加算的メソッドなどのアナリティック・ワークスペースで使用できる代替の集計メソッドの1つを使用するかを選択できます。
このキューブの場合、各ディメンションに簡単なSUM集計のみが必要です。したがってメソッドはデフォルト設定のままにします。 「Summarize To」タブを使用して、各ディメンションのデータが事前に要約されるレベルを選択できます。 デフォルトで、Analytic Workspace Manager 10gは、あらかじめ、各ディメンションでレベルを1つおきに選択します。通常、これにより、問合せのレスポンス・タイムと問合せに対するキューブの準備に必要な時間の許容可能なバランスが保たれます。 UNITSキューブが定義されたので、モデル・ビューでキューブを開いて、「メジャー」ノードを右クリックします。 「メジャーの作成」を選択してUNITSと名付けます。 同じ方法で、「SALES」というメジャーを作成します。 キューブのために先に定義した集計仕様をオーバーライドできますが、この例では、デフォルト値を受け入れて親キューブの仕様を継承します。 「UNITS」および「SALES」メジャーの移入に使用するデータは、「GLOBAL」スキーマの表にもあります。 「マッピング」ノードをクリックして、「GLOBAL.UNITS_HISTORY_FACT」表を「UNITS」キューブの横にあるマッピング・ペインにドロップします。 UNITSファクト表がスター・スキーマの一部であるため、「スター・スキーマの自動マップ」ボタンをクリックして、ファクト・ソース列をキューブにマッピングします。
ファクト表の列を自動的に「UNITS」キューブにマッピングする代わりに、Oracle Warehouse Builderのユーザーが使い慣れたテクニックを使用して、手動で各ソース・フィールドを関連するメジャーまたはディメンション・レベルにマッピングできます。 ソース・データ内の表から取得した「UNITS」および「SALES」メジャーに加えて、計算されたメジャーを作成します。これには去年の同時期以来、売上がどれだけ増加または減少したかが含まれます。 この計算されたメジャーを実装するには、UNITSキューブのモデル・ビューで「計算されたメジャー」ノードを右クリックし、計算されたメジャーをPCT_CHANGE_SINCE_LAST_YEARと名付けて、「前回/将来の比較」フォルダから計算タイプ「前の期間からの変化率」を選択します。
ウィザードの次のページで、パーセントの差を計算するメジャーに「SALES」を、時間階層に「CALENDAR YEAR」、日時の範囲に「YEAR AGO」を選択します。
「終了」をクリックします。 "時系列"の計算を簡単に作成できることが、アナリティック・ワークスペースを使用することの重要なメリットの1つです。Analytic Workspace Manager 10gにより、アナリティック・ワークスペースをプログラムして問合せを行うために使用する言語OLAP DMLを知る必要がなくなりました。 キューブのロード: OLAPディメンション、キューブ、メジャーが作成され、ソース・データが指定されたので、キューブをロードできます。 「GLOBAL」アナリティック・ワークスペースを右クリックし、次に「アナリティック・ワークスペースGLOBALをメンテナンス」を選択します。 アナリティック・ワークスペースのすべてのオブジェクトをハイライトします。
次のページで、デフォルト・オプションを受け入れて、「次へ」をクリックし、次に「Run Maintenance Task Immediately In This Session」チェックボックスが選択されていることを確認します。 「終了」をクリックすると、Analytic Workspace Manager 10g がソース・データをオブジェクトにロードします。 ロードが終わると、Analytic Workspace Manager 10gは、進捗と各段階の結果についてレポートします。レポート終了時に確認して、ロードのプロセスにエラーがないことを確認します。
Analytic Workspace Manager 10gを使用して、メジャーとディメンションのデータをプレビューできるようになりました。 「CUSTOMER」ディメンションを右クリックして、「View Data Customer」を選択します。 この結果、論理次元に次元メンバーを表示し、階層とレベルを上下にナビゲートしてデータを確認できます。
「UNITS」メジャーに同じ処理をします。 ディメンション階層のすべてのレベルに値が存在し、その一部は仕様に従ってあらかじめ計算されますが、その他は"実行時"に計算されます。
OracleBI Discoverer for OLAPのためにキューブを有効にする: 最後に、OracleBI Discoverer for OLAPは、エンド・ユーザー層にメタデータを格納する代わりに、ワークブック定義および権限をDiscoverer Catalogに保存します。 保存していない場合は、Oracle Application Server Controlを使用して、GLOBALユーザーによるDiscoverer Catalogへのアクセスを有効にします。
Application Server Controlにログオンして、Discoverer Catalogにナビゲートし、GLOBALスキーマに権限を与えます。 OracleBI Discoverer for OLAPの使用によるキューブの分析 OracleBI Discoverer for OLAPを使用して、OLAPキューブを分析できるようになりました。 Webブラウザで、OracleBI Discoverer Plusを起動して、ドロップダウン・メニューで「OracleBI Discoverer for OLAP」を選択して、ページがリフレッシュされるのを待って、接続の詳細を入力します。
Workbook Wizardを使用して、新しいクロス集計とグラフを作成し、ワークシートに加えるメジャーを選択します。 ディメンションを自動的に追加する方法に注意してください。 後に、各論理次元から表示するレベルと属性を選択できます。
Workbook Wizardで作業を進めて、ワークシートに含めるグラフを選択した後、各次元に対して、ワークシートに含める階層と次元メンバーを指定できます。 手動で次元メンバーを選択に追加した後、「条件」タブを使用して、条件付きで次元メンバーを選択に追加、または選択から削除できます。 たとえば、次のように、最初にすべての「WAREHOUSE」レベルの次元メンバーを選択に追加します。
次に、「条件」タブを使用して、売上トップ5の倉庫を保持します。 ウィザードにより、段階的な問合せの作成が可能になり、最も一般的な条件のタイプはすでに定義されているので、複雑な分析用SQLまたは別のOLAP問合せ言語を学ぶ必要はありません。
次元メンバーの選択を精密にする作業が終わったので、ウィザードを使用して残りの次元メンバー選択を定義し、プロセスを完了します。
OracleBI Discovererワークブックが表示されます。
次元モデル、簡単に使用できる問合せビルダー、およびアナリティック・ワークスペースのパワーを組み合わせて使用すると、ビジネス・ユーザーの多次元的な考え方を反映するOracleBI Discoverer for OLAPワークブックを構築できます。 Oracle Spreadsheet Add-inを使用したキューブの分析 OracleBI Discoverer使用してOLAPデータを表示できるだけではなく、新しいOracle Spreadsheet Add-inを使用してMicrosoft Excelにデータをインポートすることもできます。 また、Oracle Business Intelligence Toolsバンドルの一部としてインストールすることもできます。 Oracle Spreadsheet Add-inのインストールとMicrosoft Excelのロードが終わると、Oracleメニュー項目にナビゲートして、新しい問合せを作成します。 Connection Editorを使用して、OLAPデータを格納するデータベースへの接続を作成します。 次に、「OLAP Connection」ダイアログ・ボックスで、「global」スキーマに接続します。 続いて、Query Wizardが表示されます。Query Wizardにより、OracleBI Discoverer for OLAP問合せの作成と同様に、OLAP問合せを作成できます。 Query Wizardを使用して、「SALES」メジャーを選択して、先に使用した条件と同じものを適用します。
問合せの定義を完成すると、OLAPデータがスプレッドシートに表示され、必要に応じてリフレッシュでき、スプレッドシート内の他の任意のデータと同じように扱うことができます。
まとめ OracleBI DiscovererにOLAP Optionを追加すると、論理次元モデルを使用してデータに対する問合せを実行し、レポートを作成することが可能になります。 論理次元モデル使用のメリットは、人々がどのように組織を頭に描いているかがモデルに反映されることにあります。 多次元のアナリティック・ワークスペースを使用して論理次元モデルを実装することにより、問合せと、Oracle Database 10gにあらたに組み込まれたOLAPエンジンでの集計の最適化という利点を生かすことができます。 OTNから無償でダウンロードできるAnalytic Workspace Manager 10gを使用して、OracleBI DiscovererのOLAP機能の使用を可能にするアナリティック・ワークスペースを迅速に構築できます。 OracleBI Discoverer、Oracle Database 10g、およびOLAP OptionをOracle Spreadsheet Add-inと併用すると、精巧で使いやすいビジネス・インテリジェンスをあらゆる種類のユーザーに提供できます。
これで、OracleBI Discoverer for OLAPを使用した最初のOLAPキューブの作成と分析が終わりました。次に、他の方法も付け加えておきます。
Mark Rittmanは、Oracle Professional DBA資格者で、SolStonePlusで技術部長として、Oracle Database、Oracle Application Server、OracleBI Discoverer、Oracle Warehouse Builder、Oracle OLAPを使用したビジネス・インテリジェンスおよびデータ・ウェアハウジング・アプリケーションの開発に取り組んでいます。 その他に、UKOUG BI and Reporting Tools SIGの議長を務め、Oracle Business Intelligenceおよびウェアハウジング・テクノロジ専用のWeblogを運営しています。 Oracle ACEの一員であり、英国、欧州、米国におけるOracleのユーザー・イベントで定期的に講演をおこなっています。 Oracle Corporation発行の「Using Oracle Business Intelligence Discoverer with the OLAP Option 」の翻訳版です。 |